シエナは私の肩から手を離してかわりにギュッと手を握った。


そして夜陰を抜いて階段を駆け上がって行く。



シンとシチは貰ったお酒をグイッと飲み干して夜陰の後についていく。



「なぁ、シチ?」

「何?」

「あのふたりって何なの?」

「知らんよ。いくとこまでいってるかもな」


シチの言葉にシンはガクンと階段を踏み外す。



「13歳の子供が変なこというな」

「子供ちゃうわ」



2人の言い合いに夜陰は、ハァとため息をついた。



シエナに引っ張られてバクを出た。
背後の白い塀に背中をくっつけてシエナを見上げる。


可笑しいのはシエナの手が私の肩を壁に押さえ付けていることくらい。



ゴクリと唾を飲む