クロムはニッコリ微笑んで口を開いた。
私はその声を聞き漏らさないようにそっとクロムを抱く。
「さっきの疑問を解消してあげる」
「あ、教えて教えて」
「君はね、心で想像しないと無効化を発生させることは出来ないんだ。
だから不意討ちだったら君に無効化は無い」
「心で、想像?」
そう言えばアレンの魔法をといた時、想像した。
チャックが開く想像を、あの時は本当、なんちゃってだったけど。
「じゃあどうしたら不意討ちも無効化になれますか?」
「訓練だよ。訓練することで無効化の力を体に染み込ませるんだ」
「訓練……」
その言葉に顔をしかめると、ニャッとクロムが顔を私の服に擦り付けた。
「大丈夫。君の演奏は素晴らしかった
あんな演奏が出来る君に、訓練なんて簡単なことだよ」