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階段はシャンデリアの明かりじゃやっぱり少し足りず、暗い。


これぞ西洋と言ったその雰囲気は、今からパーティーでも始まるんじゃないかと私の胸を踊らせた。



シャンデリアの下では皆各々会話をしているようだ。

人が沢山いた。


まるで一階の人の気配が全くなかったのなんて嘘のように。



地下に降りきると、ムードにあうサックスのような音が聞こえた。

そしてポロンッと時々ピアノの音も聞こえる。



この世界にも楽器があるみたい。



夜陰の後に続いて広間を突っ切っていくと通る誰もが夜陰に挨拶をしていく。


私はそんな夜陰を見ながらさっきの囁きを思い出して顔をしかめた。



「ねえ夜陰さん」

「ン?」

「私、ピアノ弾きたい」



広間の隅に置かれたピアノを指差すと、夜陰は私の顔をまじまじと見た。