ガチャン。と重い音が鳴って、夜陰が門を押すとその門は錆びた音をならして内側に開いた。



「……ここが、バク」



お城の隠密、夜陰の巣



「行くわよ、君花」

「うん」



歩きだした皆の後をただ遅れないようについていった。



バクは白い平屋で、外見からして広そうだ、左右に建物が塀と同じく広がっている。


のにも関わらず人のいる気配は全く無い。
まるで廃墟だ。



馬を小屋に入れて建物の扉の中に入る。

まず初めの感想は「普通」だ。



白を基調とした、ただの部屋。



夜陰に続いて私、シエナ、シン、シチと部屋の奥に進んでいった。



「夜陰さん」

「ナに?」

「どこに行くの?」



白い廊下をキョロキョロ見渡しても扉もなく、ただ続くだけ、いい加減座りたいのだ。