「はあ…ιあんたねぇ、しんどくなったらすぐに言いなさい」

「え?やった!!降ろして降ろして」



わーいと手をシエナに向けるとシエナは渋々と私を馬からおろしてくれた。


とりあえずシエナの前に行かされて、道も狭い獣道を一列になって歩いていく。


どこまで歩けばいいのかもわからないから、30分しか歩いてないのに、もうしんどい、となっている私はどうシエナ隠そうかと思案するばかりだった。



***


随分歩いて、何事もなく獣道を抜けた。

「わあっ」



獣道を抜けたそこには、白い塀が随分と左右に長く続いていて、目の前の門を厳かにしていた。



塀の中に高い建物があるとは思えず、見上げるとまだ山頂が遠いことがわかる。



夜陰は馬から手を離して懐から鍵を取り出した。