ここで退いたら敗けだ!!そんな思いで必死にシエナに挑む。

シエナは呆れたように私を見下ろして私のおでこをひっぱたいた。


バチンッと鈍い音が鳴って私はおでこを抑える。



そうだ!!怖いだけじゃない。

時々手が出る!!!



そういえばそうだった、とシエナから視線を外すと、ヒョイッと腰に手が回った。



「なっ」

「あんたはギリギリまで馬に乗ってなさい」



そう言ってシエナは私をシエナの馬に乗せた。



「嫌、なんで皆乗らないのに私が乗るのよ」

「あんた体力なさそうだから途中で疲れられても困るのよ」



全く。と息をついたシエナは少し離れてしまったシンの後を馬をひいて追いかける。


シチも呆れながら走って来た。