「じゃあ出発シヨウ」



どうやら私とシン待ちだったみたいで、私達が馬の元に戻るとすぐに出発になった。


ここからは獣道に入るから、馬をひいて皆歩きだ。



夜陰を先頭にさっきの獣道に入っていく列に、シンの次に入ろうとするとガシッと手を掴まれた。



獣道に入りかけた足が引っ込んで、掴んだ奴をギロリと睨んだ。



肩がガクンってなったじゃないか

後ろでシチが困ってるだろ


と、色んな思い(邪気)をたっぷり含んだその私の目に

そいつ、シエナはムスッと顔をしかめた。



怒ったシエナは怖い

そんなのわかってるけど結局怖いだけなんだいつも。


「憎たらしいわねあんた」

「お褒めに預り恐悦至極。」

「あんたそれ意味わかってんの?恐悦至極って」

「知らないけど、何?」