「絶交?子供みたいなことやめてよね」


シエナはハンッと鼻で笑いながら私を見上げる。
その表情がやけに憎らしくて私はすぐに視線を外してシンの元に駆け寄った。


昨晩、シエナは言った。

『…私のほうが嫌よ。あんたがよくそうやって顔を背けるの』



私が今してるこのことがシエナが言ったこのことなのだろう。

でも関係ない。

ムカつくんだから仕方ない。


「君花?放電してるよ」

「大丈夫、ねぇこれからどうするの?」



にこやかにシンの腕に手を回すと、シンは「あぁ」と話しながら歩き出した。


少し歩いて獣道の入り口に立つ。


「この先を歩いたら夜陰の総本部、バクがある。そこに馬を預けてから、そこからは歩きになりそうだ」



歩きと言う言葉に顔がひきつった。

ただでさえ目の前の獣道が恐ろしいのに。