「アレン」


闇の中、城の者に気付かれてはいけないため、灯りは点けず、裏門の前にいた。

門番はシンドリー1人。


今、騎士の三人が馬を連れてきている、ここにいるのは私とアレンと夜陰と門番のシンドリー。


「どうしたの?」



闇に慣れた目でアレンをうつす。
隣にいてくれていたアレンの手を握った。


そしてパッと離す。



「なにこれ」

「私の世界のクリップっていう物なんだけど、預かっといてくれない?」



制服のポケットの中に入ってたト音記号の形したクリップ。


こんな闇では見ることは出来ないんだろうけど、アレンが頷いてくれて微笑み返した。



「絶対に戻ってくるから。それまで絶っっっ対に預かっといてよね」

「わかったってば」

「馬ガ来たイクよ。」



笑ったアレンに頷いて、夜陰の後を追いかけた。