シエナは私の顔の両横に手をついて私を見下ろした。

「意味わかんない。あんた馬鹿じゃないの」

「…うん。こればっかりは馬鹿だと認めるよ」



シエナは私のおでこにキスすると、かすれた声で「目瞑りなさいよ」と上から言った。



「何する気!?」


解放された手でシエナの胸を押す。


「何ってキスの続き」


さも当たり前のようにあんた馬鹿?というように、そう言ったシエナに私は口をパクパクさせて噴火しそうな感情をなんとか押し留めようと努力した。


「やっとそれなりの反応したわね」


言われた通り顔も全身も真っ赤で、躊躇って顔を背ける。



「…私のほうが嫌よ。あんたがよくそうやって顔を背けるの」