じゃあ帰って、なんて礼儀としては言えない。
でもいつまでもここに居られるのも困る。というより鬱陶しい。


再び針と糸を見ると、シエナはくすりと笑って私の頬をつついてきた。


「あんたでも裁縫できるんだー本当に女だったのね」

「どういう意味よ?」



つつかれた頬を抑えてシエナを見ると、その顔を叩きたいと言う欲が沸々と沸き立つ。

苛々とどうしようもない感情に手が勝手に動きそうだった。


ムカつく
ムカつく
ムカつく!!



「そのままの意味よ」

「馬鹿オカマーあ!!」



テーブルに制服と裁縫道具を置いてシエナの顔をガシッと掴んだ。


グゴオォン!


「痛っったぁ!!」



シエナの痛そうな声が聞こえたけど私も大分痛かった。

前に頭突きされたから私も今回頭突きしてみたんだけど、やっぱり痛い痛い。