「…何、これ」


やっとの思いで声を絞り出すと、シエナの艶美な目を見てしまった。


「これはシンバって言って災いから身を守ってくれる銀なの」


もしかして、と思って首にかかるシチに貰ったネックレスをローブから引き出した。



「これのこと?」


ネックレスを顔の横に翳して首を傾げるとシエナの目が見開いた。


「誰にもらったの?」

「シチだけど…?」



そう言ったとたんシエナの頬は膨らむ膨らむ。
町なんて歩いたことのない私は何が何かわからずにただ首を傾げるだけで、


「ま、いいわ。二つ持ってて」

「ありがとう」



貰った二つの指輪を大事にするしか出来なかった。


「用すんだ?」

「まあ一応すんだわ」