「まあ

そんなとこかな」


おいいいいっ!!



「わかってんじゃん!!あんたは自分のために人が死ぬのに何ともおもわないんですかあああ!!?」




勢いに任せて兵士を振り切って王子の目の前に立つ。




「……私のために死ぬ?」

「しらばっくれないでよ!!
影武者ってわかってるの意味!!
私は嫌、早くもといた世界に戻りたいっていうのに

ていうか?
まだ異世界トリップしただなんて信じてないし?

あはは

あははは

あはははははははは

私以外の人にしてくださあい」




王子の目が細くなって、目の端に王子の手が移った。


「泣いている」




王子の手が自分の頬に触れて体が強張った。




私、泣いてる?