そうして彼と出会って、二つの季節が過ぎた頃、彼は…高校に通い出した。

学校にはおだやかで優しい人が多くて、楽しいと彼は言っていた。

オレは顔では喜んでいたけれど、胸は真っ黒に染まっていた。

…もう、彼にはオレが必要じゃないのかもしれない。

彼が着る服も、オレが知らないうちに買われた、新しいものになっていった。

やがては放課後や休日に会うことも、減っていった。

そしたら…彼のご両親から、やんわりともう役目は終わったのだと、言い渡された。

目の前が真っ暗になった。

でも冷静な部分が生きていて、笑顔で受け入れてしまった。

…もう彼が、オレの手の届かないところに行ってしまったことを、分かってしまったから…。

最後に手切れ金のように大量のおこづかいを貰って、オレは彼に何も言わずに去った。