やがて彼は、外へ興味を持ち出した。

オレは少し不安になった。

でも彼の気持ちを否定したくない。

彼の希望で、陽が暮れてから、家の近くを散歩するようになった。

最初は散歩だけだったけど、公園で座り、話をするようになった。

でも…不安はどんどんふくらんだ。

それが的中するように、やがて彼は昼間も歩き出したいと言い出した。

休日の公園、やがては人の多い街にまで…。

そのことを彼の両親はスゴク喜んで、オレに多くのおこづかいをくれた。

だけど…全然嬉しくなかった。

彼がオレ以外のものを、気にしだしていることを、気付いてしまったから…。