その後、オレは休日だけではなく、学校が終わるとすぐに彼の元へ行った。

彼はいつも白い浴衣を着て、毛布をかぶっていた。

部屋はカーテンが引かれていて、電気も付けずに、薄暗かった。

でもそれで良かった。

彼の部屋で、彼の存在しか感じられないあの空間が、ひどく心地良く感じたから。

彼はあまり話さなかった。

最初はそれこそ、オレが1人でしゃべってばかりいた。

でも通っているうちに、単語程度なら返事もしてくれる。

そして表情も少しずつ、見せてくれるようになった。

オレはそれが純粋に嬉しかった。

彼がオレに心を開いてくれることが、彼を1人占めできることが、ただただ嬉しかった。