彼の部屋のふすまを開けて、彼を見た途端―心臓が高鳴った。

今まで感じたことがないほど、強く。

部屋の隅で足を組み、おびえた顔でオレを見た彼を、一目で好きになってしまった。

そう…恋に落ちてしまった。

引きこもり特有の青白い肌に、華奢な手足。

でもキレイな顔と眼をしていた。

少し伸びた黒い髪も、絹糸のように美しかった。

心臓がわしづかみにされる感覚。

呼吸が乱れて、顔に血が上った。

少しよろけながらも、彼の前へ行き、オレは精一杯笑顔を浮かべた。

「…はじめまして」

「……はじめ、まし、て…」

美しくも低い声に、オレは目眩を覚えた。