『ごめん!なんでも─』

ユ「越えたい人がいる。」
『…え?』

ユ「でも、その人はもういない。俺の夢はその人に越える瞬間を見ていてほしかった。ただそれだけ。」


雄飛の低音は酷く冷たかった。
それでいて哀しく、か弱く聴こえた。


『…ごめん。』

それしか選ぶ言葉が
見つからなかった。


ユ「いや、俺もなんか悪かった。気にすることない。かして、片付ける。」


道具を雄飛に渡して
私たちは倉庫からでた。