「恋、なんだ起きてるじゃん。」

『愛ちゃん。』

「ちゃんで呼ぶなよ~」

今私の部屋に
入ってきたのは、
お兄ちゃんの
愛ちゃん。
愛と書いてメグミって読む。
愛ちゃんは名前が
ちょっと嫌みたいだけど
私はいい名前だと思う。

『君だと可愛くないでしょ?』

またそれか。
なんて言いながら
私の方に来ると、
大きくて少し暖かい
愛ちゃんの掌が
私の頭に雪の様に
ふわり、と降りる。