恋が俺に歩み寄って
親父を掴んでいる手を
両手でそっと握り
また、やめてと囁いた。

恋の栗色の瞳には
涙が溢れるほど溜まっていた。

『恋はみんなが家族で幸せだよ。みんな優しいし仲良しだし、恋はみんなが大好きだから。優ちゃんも、私が自分の子じゃないのに愛ちゃんと同じように接してくれるし、居にくいとかそう言う事思ったことない。お父さんが私を産んでって言ってくれなかったら、私みんなと会えなかった。私これからもみんなの家族でいたい。』

…そうだ。恋が居なかったら
俺はあのまま1人きりで、
きっと家族はバラバラのまま
最悪な最後を迎えたかもしれない。


恋のおかげなんだ。