「夏樹」


「……なんだよ」


カチカチ。


画面の中。うねうねと動く濃緑色な触手が、荘厳な飾りを付けた金髪の女神様に絡みついていく。


僕だって健全な男子な訳で、興味はなくはない。


視線をずらそうとしても、思わず見入ってしまう。


「悪い事は言わないから、今の内にあの同好会から退部した方がいい」


不意に、だった。


茜子がそんな事を言ったのは。


「どういう、意味だ?」


「意味なんてないよ。そのまんまの意味」


カチカチ。


画面では女神様が剣を振り回し触手を切り裂いていく。


その表情はまるで女神様らしくない勇ましいものだけど。


「理由なくお前が僕に退部を促すとは、悪いけど思えない」