うとうとまどろむ。


入学式は、いいや。


意識は既に現実と夢の狭間に迷い込み、コーヒーに落とした砂糖のように溶け出す。


ピピピと鳥が鳴いた気がした。


















「アズマ見つけた!!」







落ち掛けた意識に飛び込む怒号にも似た大声。


……なんだようるさいな。せっかくいい気持ちで寝てたのに。


開くまぶた。焦点の合わない視線はぼんやりと木の枝を仰ぐ。


木、枝、葉、視界の端の青空。それらが瞬間、


消えた。


一体何だ?


…そう思うより早く、認識が理解を凌駕する。