「……それが、何か?」


当然の事ながら茜子は怪訝な表情をする。


「僕が、いや。僕だけが『南先輩』の為に出来る事を考えた時、思い付いたのは二つの行動なんだ」


「二つの行動?」


「そう、二つ。一つは缶蹴同好会を潰す事。僕が僕の二つ名通り生きるには缶蹴同好会を守るより、これ以上傷つかないように壊す事だった」


「……最大の間違いはそこなんじゃ?」


「僕は頭は良いが自分の間違いを理解出来る程人間は出来ちゃいないよ?」


知ってます。


と小さく不愉快な返事がした気がするが気にしない。


「…所で二つ目は何ですか?」


「……そうだなぁ。これは恥ずかしいからヒントだけにしよう」


「ヒントだけ、ですか?」


「そう。それはとある『ハーフちゃん』の為だと言っておくよ」