おずおずと差し出した右手。フランシアも右手を差し出し握手を交わす。


「あ。あと彼女、忍者なの」


「は?」


今、なんて?


「忍、者?」


「うん。そう。だよね?」


「奥州の」


首を縦に振りながら呟く。


「いや、忍者って。しかも奥州?」


「あと、あれ梨乃原(なしのはら)は?」


無視された。超スルーされた。


「梨乃原は今、勧誘してます」


「あ~、そっか」


何やら桃東先輩は一人で納得したようだ。


「あ。そうそう、この子」


「存じてます」


桃東先輩が僕を紹介しようとするが、フランシアはその前に口を開いた。


存じてます。


はて、僕はこの美人さんの事は知らないんだけどな。