「僕は僕で、バカ姉はバカ姉だっ!!」


「君は君だ。お姉さんはお姉さんだ。だけど君も、お姉さんも『神奈河』だっ!!」


神奈河だから、何だって言うんだ。そんなの通り名でも二つ名でもない。


ただの名字だ。


そこには意味なんて無い。


ただ畏敬と畏怖を備えた。若干珍しい名字なだけだ。


「全てはバカ姉の威光なんだよ!!」


「そう、君の言うとおりだよ!!何もかも」


だけどっ!!


急に胸ぐらを離され僕は地面に尻餅をついた。


尻の痛みを携えて、見上げると「は?」。


茜子は泣きそうな顔をしていた。










「……あの人、真乃枇杷は『神奈河』に倒される事を望んでる。…故に私や【雷姫】では倒せない。いえ、倒れない」


あの人はまだ南先輩の背中を追っているんだ。