だが僕の足はそんな叱咤(しった)に応えることはない。
ダメ…なのか。
僕はここでリタイアなのかよっ!?
ちく、しょう…。
何が。神奈河だよ。何が伝説の弟だよ。
僕は何もしていない。何も出来ていない。
何。も……。
「……ぐわぁぁっ!?」
遠く、まだ揺れる景色の中で【勇者】が真乃枇杷に吹き飛ばされる。
きっと、まもなく桃東先輩も敗れて缶蹴同好会は負ける。
それを僕はこうして地面に横たわって指をくわえて眺める訳だ。
…ク、ソ。
「バカ。夏樹」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…