それじゃあサヨナラ♪


…サヨ、ナラ?


まるで陽炎のようにゆらゆらと揺れる真乃枇杷はそう言って。


「……がぁっ!?」


真乃枇杷の容赦ない蹴りが僕の体を中庭の端。


つまりは中庭を囲う校舎まで吹き飛ばす。


外壁に当たり、ようやく止まった僕の体だが。


蹴られた腹。それに打ち付けた背の両方が痛い。


それにまだ頭もグラグラして、クソ。


意識が、飛びそうだ。


ちくしょう。揺れる視界の中で真乃枇杷がゆっくりと缶、いや。


桃東先輩に近づく。


クソ、地面に手をつき立ち上がろうとするが。


……僕は立ち上がる事さえ出来ないのか!?


ぐぅ、立て!!


動け僕の体!!


太ももを殴りつけるが、痛みの感覚さえ無くなり始めた。


ちくしょう。立てよ僕の足!!