拳に力を込めて、真乃枇杷の顔面に振り下ろす。


この男にトドメを刺すために。


「喰らえぇっ!!」


ドンと拳に鈍い衝撃が走る。それは肩に、体に伝播する。


「懐かしいなぁ★」


舞う砂埃。


僕の拳は真乃枇杷の顔面を捉える事なく、地面に突き刺さっていた。


「昔#南先輩に同じ事されたよ#けどその時の拳と今の拳は」


全然違うね♪


瞬間、僕の視界が反転した。


青空も地面も。右も左。現実か夢かも。


何もかも混在してグチャグチャな視界。


この歪んだ景色は見たことがある。


僕は真乃枇杷に顎(あご)を殴られたんだ。


「脳震盪(のうしんとう)の味はどうだい♪」


「う、ぁ」


顎が、痛い。


頭が、揺れる。


「正直★君には期待してたんだけど#ま☆こんなものかぁ」