そこにいたのは金髪の女生徒。


背は僅かに僕より低く、だけれどその彼女。桃東先輩に比肩するほどの美人。


ハーフなのか日本人離れした整った顔立ちはフランス人形を連想させる。


青い瞳は真っ直ぐに僕を見つめたまま本当に人形であるかのように動かない。


なぜだか彼女。無表情なのだ。


無表情なのだけど。


「どうも、姫様」


片手を胸の辺りに上げて極めてフランクに挨拶する。


と言うか、姫様?


「やぁ葡萄園(ぶどうぞの)。今日も素敵に無敵だね」


いや、言ってる意味が分からない。


なんだ素敵に無敵って。


「神奈河君に紹介するね。彼女は【葡萄園 フランシア】。ハーフなの」


「えと、はじめまして」