「な、」


「フランシア先輩は勘違いしていますよ」


色んな事を、ね。


「そりゃ僕も少しは驚きました。知らないことでしたから。でも、それももう二年も前の話です」


二年って時間は、僕には長い気がしたけど。それは僕だけみたいだ。


こうしてバカ姉がいなくなって二年が経つのに色んな人の中に色んな形でバカ姉は残っていて迷惑を掛けている。


いや、まぁバカ姉らしくはあるけれど。


「別に僕はそれでフランシア先輩を憎む事はないですし、むしろそんな奴がいたら。一緒にやっつけてやりましょう」


だからフランシア先輩。


お願いですから。


「…泣かないで下さい」


「泣いて、…なんか」


いつもの何を考えてるかわからないフランシア先輩はいない。


今いるのは、ただ自責の念と一生懸命に戦う一人の女子だ。


ただ忍者だっていう一人の女子。