語る言葉はひたすらに表情がない。
別に口調や、フランシア先輩の感情がないという事じゃなく。
なんて言えばいいんだ。
故意に、主観性を消している?
責任から逃げる為に、というわけでもないだろう。
じゃあどうして?
そんなの、決まってる。
フランシア先輩にとってそれ。バカ姉の死は目を塞いで記憶から消し去りたい、でも向き合わないといけない事象だからだ。
きっと、バカ姉の死は僕以上に心の深い所に根を埋めてるはずだ。
「私が殺してしまったようなものだ」
……気が狂うくらい痛いだろう。
もう、二年も前の事なのに。
「責められる訳、…ないじゃないですか」
目を逸らすでもなくフランシア先輩は僕を見続ける。
「私は、責められるべき人間だ」
「フランシア先輩は、バカですか」