「要約するとだね。アナタのお姉さん、『神奈河 南』はねこのフランシアちゃんをかばって死んだの」


「かばって、死んだ?」


……バカ姉は誰かをかばって死んだ。


そんな事を親が言ってたのを覚えてる。


え、じゃあなんだ。そのかばった誰かってのは。


「フランシア先輩…、それ。本当なんですか?」


フランシア先輩は応えない。


手を掴まれたまま、力無く地面に座り込んで。


「…フランシア先輩」


表情は見えない。


どんな顔してるかも想像はつかない。


ただその背には激しい絶望が覗けた。


「フランシア……先輩っ!?」




刹那の事だった。


……体が吹き飛んだ。


僕の視界の中、悠然と自身の優位にあぐらをかいていた朝日部の体が。


宙に舞ったのだ。