「……会長はおかしいです」


「なんとでも言うがいい。僕のする事に変わりはない」


缶蹴同好会を滅ぼす。


そして思い出は、いや『神奈河 南』は永遠に『彼』の中で生き続けるのだ。


そこに妥協、同情はない。


「神奈河の血は『南』先輩だけで十分だ」


立ち上がると椅子が反動で後ろに流れた。


沈黙が生徒会執務室に滞留する。


シチュエーションだけを見れば、なる程。後輩の女子と二人きりという妖しい空間ではある。


けれどそれは億劫な時間でしかない。


彼女の気持ちがわかるからだろうか?


『彼』も『神奈河 南』に師事したことのある一人なのだ。


それに自分のやろうとしてる事の愚かさだってわかってるつもりだ。