「それは君の本心かい?」


「それはどういう意味でしょう?」


『彼』の口から乾いた笑いが漏れる。


どういう意味かだと?


「そのままの意味に決まってるじゃないか?もっと正確に言おうか。君は『神奈河 夏樹』の事を守ろうとしているんじゃないのかい?」


「……」


わずかに彼女は視線を落とす。


反応から察するに図星のようだ。


「茜子君。私情でものは言わない方がいい」


「会長こそ」


今度は鋭い眼。


あぁ、これだ。


この眼。まるで獲物を狙うチーターのようなそれ。


「…僕は君の事を評価しているんだよ、茜子君」


我が生徒会の三人目の二つ名持ち。


かの伝説。『神奈河 南』の一番弟子。


「会長こそ、私情なのではないですか?」