「何?」


南はお姉さん然とした口調で『彼女』に尋ねる。


「あなたは、女性なのにどうしてそんな競技をやるんですか?」


どうして?


そんな事を尋ねられたのは二度目だ。


確か一度目は、バカ弟の幼なじみだったかな?


あの時も確かこう答えたはずだ。


「好きだから。じゃあダメ?」


今度は『彼女』が頭に「?」を浮かべる番だった。


リアクションさえ一緒とはね。


妙におかしくなってプフッと笑ってしまった。


「なら逆に聞くよ。キミは、見た所部活に勤しむスポーツ少女みたいだけど、どうしてその部活をやっているの?」


「……部活を、ですか」


そんなこと深く考えた事なんてなかった。


それこそ言葉を借りるようだけど、好きだからやってきた。それが一番しっくりくる。