聞きたくないヤツとよくわからないヤツが入り混じった情報はどちらかと言えばロリータコンプレックスが衝撃的だった。


それはともかく。


桃東 雷。そう呼ばれた女生徒は僕等の怪訝を伴った視線は意にも介さずブレザーの内ポケットを「あれー?」とか呟きながらガサゴソと漁っている。


手持ち無沙汰な時間はどうすればいい?


クラス全体で湧き上がる空気は段々と僕等のフラストレーションを溜めていく。


「お。あったあった。忘れないように捜し人の名前メモしたんですがそのメモ用紙をどこにやったか忘れちゃったんですよね」


本末転倒ですね。一応心の中では突っ込んどく。


さっきまでの喧騒はすでに掻き消えて嫌な沈黙の中、畳まれた紙の開く音が切り裂いていく。