『なぁ。あの人ってさ、もしかして。桃東先輩じゃね?』
僕の背後から、小さな声がした。
はじめ僕に声を掛けてるのかと思ったけどーー
『誰だよ、桃東先輩って』
ーーその返しで話し掛けた相手が僕じゃない事を悟った。
危うく痛い奴になる所だった。
『いや、俺もよくは知らないんだけどさ。サッカー部の先輩が言うんだよ』
『サッカー部?お前熟女研究会に入ったんじゃないのかよ?』
『……バカやろう。俺は年上より年下派だ。ロリ最高。萌へ最高』
『そんなカミングアウト聞きたくなかったぜ。で、サッカー部の先輩が何て言ってたんだよ』
『桃東 雷には近づくな。先輩にはそう言われてる』
『何だよそれ』
『あと幼児に手を出したら犯罪だ。って』
『犯罪は、…うん。気をつけろよ』