噛みついている柿宮を振り解いて二人してハレルヤ先輩の説明を聞く。
「彼、兵庫君はサッカー部の主将だ。缶蹴り歴は多分君達二人より長いし、何より強い」
「…強いんですか。あの人」
「通り名もある位だからね」
通り名?
何それ。
「肩書きだね。ほら、スポーツ選手やマンガなんかでもその強さを比喩なんかで表したりするだろ?」
……〇〇の錬金術師みたいな感じかな?
「まぁそんな感じだね。著作権をものともしないその強さは見習いたいね」
「いや、そんな」
「そ、それより!!あの人の通り名って!?」
「あぁ。彼の通り名は【勇者】って言ってね」
「…【勇者】ですか?」
なんだ。その圧倒的に強そうな通り名は…。