「遅いわよサッカー部。一体何分待たせるつもり?」


桃東先輩を向き直るとなぜか腕を組み憮然とした様子でサッカー部の人を睨んでいた。


こんな桃東先輩の表情を見たのは初めてだ。


それになんだかいつもと醸し出す空気も違う。


いや、この空気は初めてじゃない。


あれは練習の時、僕をぶん投げた空気と同じだ。


てことはもうすでに戦闘モードって事か。


「悪いな。待たせるつもりはなかったんだ」


不敵な笑みを浮かべるサッカー部の人。


「夏樹君。柿宮君」


はい?


呼んだのはハレルヤ先輩だった。


「なんでしょう」


振り向くと、ハレルヤ先輩に柿宮が飛びついていた。


「はっ、ハレルヤ先輩!!もっ、もっかい私の名前呼んでくださっ!!」