『ごめん、友達としてしかみれないから』




あれから3年。
高校も離れちゃったし会う機会もない。
忘れかけてきた頃に偶然が降ってきた。


「…チハル?」


近所のコンビニだからって
スウェットで来るんじゃなかった。


だってカズヤがいると
思わなかったんだもん。


「久しぶり」

「…うん」

「元気だった?」

「…うん」


急な出来事に
頭も心臓もついていかない。


ただうつ向いて頷くだけ。


嬉しいけど
なんか気まずいし。


「………」

「………」


でも"友達"だから
何か言わなきゃ。


「…じゃあ、またな」

「あっ………うん」


自転車に乗ってくから
カズヤの背中はすぐに見えなくなった。


何か言えばよかったなんて
後悔が溢れてくる。


でも




『 またな 』




"また"会えるかな──?


その時は私から
声かけてみようかな。


びっくりするかな。


だから


"また"ここに来てね。







fin.