「……ただ、それだけ。」


「それだけって…」


私は真っ赤になったであろう顔を俯かせて、ボソリと呟いた。


「…きみ、名前は?」


「え…鮎川小春ですが……。」


「鮎川…そう、じゃ。」


「え??」


先輩はそう言うと、また上体をベッドに横たわらせこちらを向いた。


「…寝ないの??」


「へ??」


掛け布団を半開きにして、そう言ってくる先輩。


「い、いいです!!」