その瞬間、保健室一帯の空気が止まった気がした。
風に吹かれて揺れているカーテンでさえも、ピタリと止まる。
「あ…の…」
やっぱり…あの写真に何かあるのかな…??
「…どうして、あの写真を撮ったのは俺だって分かったの?」
「え、あ…何となくそんな気がして……」
やっぱり、あの写真を撮ったのは熊切先輩なんだ。
「あの写真は“人”の写真だから、ずっと不思議で……」
「あの写真は…特別だから。」
熊切先輩は俯いて、聞こえるか聞こえないかぐらいの声でそう言った。
「え……」
特別…?
やっぱり、あの写真に写ってる人は特別な人なんだ……