「ねぇ佳耶、やっぱりあたし・・・」
バカだから1人で頑張るよ、って言おうとしたとき。
「南美の得意教科ってなに?」
佳耶が予想外の質問をしてきた。
得意科目って・・・全部が苦手科目のあたしはどうすればいいんだろう?
「うーん・・・あえて言うなら、学級活動?」
「ふざけてる?」
視線を泳がせながら答えたあたしに、佳耶の一言。
いや、ある意味マジなんですけど・・・。
「だって得意教科なんてないんだもん!」
ムキになって言い返す。
声を出した瞬間、図書室に残っていた生徒達の視線を浴びる。
それも、こんな時間まで残ってた人達だからほとんどが真面目な見た目をしていて・・・。
「な、なんかすみません・・・」
堅苦しいこの空気に、肩を縮めて首を下げるしかなかった。
「バカ・・・。え、じゃあいっつも比較的点数がいいのは?・・・やっぱり社会?」
佳耶は溜め息をついてから、また話を戻す。
「うーん、1年のときはそうだったんだけど・・・。この頃それすら危ないっていうか・・・」
そう言ってあたしはハハハ、と苦笑い。
ここまで勉強ができなかったら、もう笑うしかないでしょ?