クーラーがかかることもなくポカポカと温かい気温のこの室内は、凄く眠気を誘う。


ボケてきそうな頭を正常に保とうと必死に頑張るけど、


「南美!聞いてる!?」


それがまた結構難しい。


「うん、聞いてるよー」


今は放課後の図書室で、補習決定率ナンバーワンの数学を佳耶と特訓中。


数学はやりたくなかったけど1番やばいと思い、あたしからリクエストした。


でも窓の外に描かれるオレンジ色のきれいな夕日に見惚れて、ついついボーッとしてしまう。


「んで・・・ここ、分かったわけ?」


「へ?」


佳耶が指さす場所には文字と数字がいっぱい並んだ・・・・・・・・・暗号?


もちろん、


「分かんない」


佳耶はシャーペンを指でクルクル回しながら、あたしを見る。


眉間には立派な皺がくっきりと刻まれていた。


「南美聞いてた?せっかく半家庭教師になってやってんのに・・・ちゃんと聞いてよね。金、請求するよ?」


顔が真面目だから、冗談で言ってるのか本気で言ってるのか分からない。


やっぱりハッキリ言われると、ちょっと沈む。


「・・・うん、ごめんね・・・」


あたしが謝ると、佳耶はシャーペンを口の前に持ってきて何かを考えてるみたいだった。


あたし、やっぱり迷惑なのかな・・・。


1人で頑張ったほうがいいよね・・・・・・。