ねぇ、流菜ちゃん。
あたし、流菜ちゃんが自分の秘密を話してくれて嬉しかったよ。
また流菜ちゃんに近づけた気がしたんだ。
流菜ちゃんはスッキリした?
あたし達に秘密を話して、心が軽くなった?
きっと勇気がいるよね。
・・・なんて、今のあたしには言える権利ないけど。
ダメだね、あたし。
どうしても言えないんだ。
神崎涼や尾崎君のこと。
恥ずかしさと、今までの自分じゃなくなってしまうかもしれない恐怖があるんだ。
今更言ったところで、どんな反応をされるかも分からない。
『あたし達、親友じゃないの?』って。
『何でずっと黙ってたの?』って。
それがまた、怖くて仕方ないんだ。
あたし達は3人はそんな浅い関係じゃないって思ってる。
分かってるけど、どうしてもあと1%の不安を取り除けないんだ。
分かってるからこそ、佳耶達が傷つくのは目に見えてるんだ。
黙ってれば黙ってるほど、隠れて傷つけることになるのに。