・・・そんなわけで、制服の下にジャージをイン。


雑巾片手に廊下の端へ。


しかもクラスはホームルーム中だから、佳耶や流菜ちゃんの応援の声はない。


でもまあ、みんなに見られるのは嫌だからこれでいいのかもしれない。


・・・男2人に女1人っていうこの状況を除けば。


あの2人は廊下の窓枠に寄りかかりながら、話を始めていた。


・・・ああいう雰囲気の2人の前を、1人雑巾がけしながら突っ切るの?


何か嫌だな~・・・。


物凄く微妙な心境。


くそう・・・とっとと終わらせるよ!


いいんでしょ、それで!


半ば開き直って、雑巾を床にスタンバイ。


やってやるよ!


早く教室戻るんだもん!


恥ずかしさを紛らわすように、心の中で自分に言い聞かせた。


そして、廊下を大爆走。


2人がこっちを見てる気がしてならなかった。


本当は全然見てなかったのかもしれない。


でもやっぱり恥ずかしくて、心の中で自分に話しかけまくった。


まじ、あの2人はやんないの?


これでやらずに教室に戻れたら、あたし働き損じゃん!


やれよ!!


あたしは君たちのせいで遅刻したんだっつうの!


・・・片道終了、やっと折り返し地点に来た。