またチラッと神崎涼達の方を見ると、神崎涼が隣にいた男に何かを耳打ちしたようで。
その男はこっちを向いてきた。
そして周りの男子達も、それにつられるようにこっちを見た。
しかも何か笑ってるし!
神崎涼は何を言ったのさ!!
何でこんなに注目されなきゃいけないの!?
あ~、もううざい!!
あたしは早く教室に行きたいの!
神崎涼達は相変わらずギャアギャア騒ぎながら、ゆっくりとした歩調で階段に向かった。
それを横目で睨むと、神崎涼達とは反対側の階段に向かって走った。
遠回りだけど、絶対こっちの方が速い。
大股で段を数段とばしつつ、階段を上っている時、
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り始めた。
・・・本当、ふざけないでよね?
「はあ・・・はあ、はあ・・・」
息も絶え絶え、教室に入った。
・・・完璧に遅刻。
かなりギリギリで遅刻。
何なのよおおぉおぉぉ!!!
この遅刻はあたしのせいじゃないでしょ!