「おっ、南美おはよー!やっと起きた?」


顔を洗っていたのか、ヘアバンドで前髪をあげた佳耶が洗面所から顔をだしたのが見えた。


「あまりにも南美が起きないからさ~、みんなでじゃんけんした」


ん?


あたしが起きなかったから、じゃんけん?


佳耶の言ってる意味が・・・。


「じゃんけんに負けたら、南美にダイビングして起こすっていうオプション付きで」


佳耶が面白そうに笑いながら、そう言った。


どんなオプションよ!


ていうか、よく見たらあたし以外の4人はみんな起きてるじゃん。


・・・うっそお、恥ずかしっ!


そして時計を見ると、


「7時10分ーっ!?やっばぁっ!」


タイムリミット20分。


昨日の夕食とは違い、朝食は学年全体で大食堂に集まって食べる。


その集合時間が7時30分。


あっかーんっ!!


そんな1人ノリツッコミも虚しく、刻々と時間は過ぎていった。


いつもより格段早く身支度を済ませ、あたしはなんとか4人と一緒に大食堂に行くことができた。


うん、学年全体で集まるくらいだから、大食堂は広いんだろーなとは思ってたけど。


「うわ、めっちゃ広いやんっ」


目を見開き、息を呑むのには十分すぎるほど十分に広かった。