「わあ、友里恵ちゃんじゃーん!」


まるで友達かのように流菜ちゃんに名前を呼ばれたのは、友里恵ちゃんこと音楽担当の岩上友里恵先生。


さすがに弱メンは男だから女子部屋には来ないか。


「先生も一緒に話します?」


佳耶が笑顔で誘う。


「うん、どうしよっかな・・・って話すわけないでしょっ!消灯時間すぎたんだから早く寝なさいっ」


1人でノリツッコミをかました友里恵ちゃんは、腰に手を当てて仁王立ちしていた。


「せやから電気消してるやん。全然問題ないやろ」


「いやいや大アリだから。あなたたちが寝てないのが1番の問題だから」


「先生こういうときくらい見逃して下さいよっ」


「そーだよ~。せっかく修学旅行なんだよ~っ」


「友里恵ちゃんお願いっ!」


「今度ケーキバイキングおごるからさーっ」


みんなで口々に友里恵ちゃん退場願いを出す。


・・・・・・が。


「静かにしなさいっ!」


やっぱり友里恵ちゃんは先生だった。


「5人が寝るまであたしはここにいます。これ以上騒ぐと木戸先生に報告しますよ」


木戸とは数学担当のオバさん。


なぜか生活指導みたいなのも兼ねている。


しかも説教が無駄に長くて、無駄にウザい。


なんでよ~・・・。