ある日、いつものように、帰りのホームルームが終わったと思ったら・・・。


「あああ!お前ら、待て!」


弱メンが叫んだ。


「はあ?何だよセンセー」


さようならをした直後に呼び止められた。


教室が静かになり、クラス中の視線が弱メンに集中する。


「俺、重大なこと忘れてたわ」


「「「・・・・・・?」」」


クラスのみんなの頭の上にハテナマークが浮かぶ。


もちろんあたしもそのうちの1人で。


心当たりのない、弱メンの言う『重大なこと』を考えていた。


「・・・各班の場所決め、まだしてないよな」


・・・・・場所決め?


ていうか、何の?


「2日目の夕方の・・・あーっと、5時頃だったっけなぁ。沖縄の風景をハガキに描いて、家族に送るつうのがあるんだよ」


「めんどーっ!!」


「それ、いらねーっ」


弱メンが忘れていた企画は、男子から大ブーイングを食らった。


正直、あたしも面倒臭い。


「んでだな!描く場所を、いくつかの指定場所の中から1つ、選んで欲しいわけ」


そう言いながら、弱メンは教室の後ろに行き、でかいダンボールの箱を持ってきた。


「この中に写真入ってるから、1ヵ所選択しろ。あ、班員みんな同じ場所だからな!決まったら班長が俺に言いに来い」


「「「ええぇえぇ・・・・・・」」」


またもや、ブーイング。